2014/08/20  ブログ 

平成15年改正特許法により、「特許異議申立制度」と「無効審判制度」の統合が行われ、従前の「特許異議申立制度」が廃止されたが(*1)、今般、平成26年改正特許法により、「特許異議の申立て制度」が創設される運びとなった。改正法の施行日は平成26年改正特許法の公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(附則第1条本文)であり、公布の日は平成26年5月14日であるから 、来年(平成27年/2015年)5月14日までには施行される見込みとのことである。対象となる特許は、施行日以後に「特許掲載公報」が発行されたもので、出願日は無関係である。

改正法説明会資料によると、旧特許異議申立制度(以下、、「旧制度」という)と今般創設された「特許異議の申立て制度」(以下、「新制度」という)の違いは以下の点である(*2)。

1.申立書の要旨変更が可能な期間を短縮
申立期間内に取消理由通知があった場合、以降は申立書の要旨を変更する補正は不可能となった(特許法第115条2項)。
これは審理の迅速化を図る趣旨である。

2.全件書面審理
新制度では全件書面審理とし、口頭審理を行わない(特許法第118条第1項)。
特許異議に係る当事者性を無効審判よりもより一層低いものとして、異議申立人にとってより利用しやすい制度とする趣旨である。

3.異議申立人への意見提出機会の付与
特許権社による訂正請求があった場合には、、異議申立人にもこれに対する意見提出を認めることにより、制度の利便性向上を図る(特許法第120条の5第5項)。

なお、新制度でも旧制度同様に匿名での申立は不可である。また、新制度の創設に伴い、無効審判の請求人適格が利害関係人に限定されることとなった(特許法第123条第2項)。新制度の創設により、効果的に競合他社の有力特許を取り消すことができるようになると考えられる。従って、「情報提供」、「特許異議の申立て」及び「無効審判」、またこれらの対象案件のウォッチングといった日常的な知財業務の重要性は一層高まるものと考えられる。

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*1 平成15年特許法等の一部改正 産業財産権法の解説 (特許庁総務部総務課編、発明協会発行)
*2 平成26年特許法等改正説明会テキストP.7
https://www.jpo.go.jp/torikumi/ibento/text/pdf/h26_houkaisei/h26text.pdf